2015年9月26日土曜日

エリック・ロデズ(Champagne Eric Rodez)

シャンパーニュ造りを音楽に例える、
エリック・ロデズを訪問。

アンボネイのエリック・ロデズ入口。
午後の柔らかい日差しの中で。
お庭の一角。
ブザーも凝っている。
「醸造を学校で学び、Krugで経験を積んだ後
家業に戻った時は、もうシャンパーニュについてはすべて知っていると思ってた。
でも、僕の最初の年は記録すべき悪い年だったんだ。
学んだ通りにやったのに、全てうまくいかなかった。
自信をまったくなくしたけれど、そこから本当の勉強が始まった。
僕は土や木、ブドウの声を聴いて、シャンパーニュを造ることにした。
市場の声ではなくてね」

そして自ら車を運転し、畑と醸造所に案内してくださる。

眼鏡が印象的。
株の間に草が生えているロデズのブドウ畑。

一見きれいだけど、除草剤を使っている近くの「工業的」ブドウ畑。

収穫直後、活躍中の樽たち。
日本向けのラベル。

ビオ・ディナミとアロマ・テラピーによってシャンパーニュを造るエリック・ロデズ。
エッセンシャル・オイルのキットもある。
オイルは水に直接入れると浮いてしまうので、
まず石鹸にまぜ、それから水に混ぜるのだそう。
エッセンシャル・オイルを使うようになったのは、
娘さんの病気がきかっけ。
人の体にもいいのだから、植物にもいいはずだと。
直感と経験を頼りに最善を希求し続ける。

2015年9月24日木曜日

シャンパーニュ・ルイナール(Ruinart)

「ヨーロッパの文化・自然等遺産の日」の
ルイナール見学。

1729年創業のルイナール。
カーヴ入口の表示に中庭の緑が映る。

中庭。地下20m、40mの見学を終えると、
庭の向こうの建物から出る。
試飲用サロン。
この日は一般公開日のため試飲はなし。
以前訪問した際の試飲の様子。
最初の階段、30段強。上から見下ろす。
18世紀に掘られたルイナールとしては新しい部分。
階段は66段(数え間違えていなければ)。20メートルの地下から見上げる。

地下カーヴ。長さ8㎞。
温度は12~13℃、湿度は約90%。
貯蔵区画ごとに詳細が記される。
時には破損も。
地上の自然光を見上げる。
12~13世紀に掘られたという地下40mの採掘跡は、
ランス市を取り囲む壁や建造物をつくるための
白亜石を得るためにできたもの。
それをシャンパーニュの貯蔵に適していると利用し始めたのが
ドン・ルイナール。

ここから地上に、切り取られた石が運ばれていた。
地下40m。さらに40段近く(おそらく38段)の階段を降りる。
上の写真の左上、「サン・レ三」の拡大写真。
サン・レ三がフランク人王クロヴィスに洗礼を与えたことをきっかけに、
ランスはフランス王戴冠の地となった。
貯蔵用に掘られたのとは明らかに違う、採掘跡のままの歴史あるカーヴ。

採掘跡には、当時の鉱夫や、第一次大戦中に収容されていた
負傷兵士などが掘った名前や絵があちらこちらに見られる。


地下からあがった展示スペース。
採掘の様子の断面模型。

地下40メートルではこのように。

中庭にたたずむ、ドン・ルイナール像。

ドン・ルイナール像。
お墓はオーヴィレの教会、ドン・ペリニヨンの横にある。


-----------------------------------------------------
ルイナールの公式サイトはこちら。

www.ruinart.com/


2015年9月21日月曜日

収 穫 2015

2015年のシャンパーニュ地方のブドウの収穫が終了。
今年の特徴は、
比較的小ぶりで非常に質の高いブドウと、
収穫時の雨。
雨の中での収穫は、収穫する人の体にかなりの負担がある。
暑さ、寒さの差もあり、畑がぬかるんで歩くのもブドウを運ぶのも
何倍もたいへん。

摘んだブドウの㎏ごとに賃金の支払いを決める生産者の場合、
ケースに摘んだ人の名前と区画、重さが表示される。


収穫時はみんなで食事。
とっておきの赤ワインが振る舞われたりする。

圧搾済みのぶどうかす。
圧搾直後の果汁。不純物もまだ一緒。
甘さも酸度も濃度も十分のおいしさだった。
雨の中での収穫。
左右に圧搾するタイプの圧搾機。2000㎏用。
搾りかすがこのように残る。
収穫する人もオーナーも、全員同じテーブルを囲む。
幼き頃より圧搾を手伝う、未来の当主君。
激しい雨の中、カメラも曇る。
数年後のおいしいシャンパーニュを楽しみに。

2015年9月12日土曜日

シャンパーニュ・モエ・エ・シャンドン(Moët & Chandon)新醸造所見学

友人夫妻のご厚意により、モエ・エ・シャンドンの
新醸造施設を見学。

収穫時期の午前中、
今朝摘まれたブドウが届き始めた時間。

24時間フル稼働の圧搾所。
一日に650トン、50ha分のブドウを圧搾できる。

1つのケースにブドウが50kg。
建物内に運び込まれたあと、品種や区画、品質等により振り分けられ、
重さや品質の検査の後、圧搾される。
巨大な規模、清潔さ、最新のテクノロジーに
圧倒されながら説明を聞く。

建物内に自社の品質管理研究所もある。

収穫は朝の7時頃から。
夜にはここがブドウのケースでいっぱいになるそう。
12000kgのブドウを圧搾できる
圧搾機が13台。

圧搾機にブドウを入れるのに30分。
圧搾に3時間半、洗浄に1時間。
圧搾機もケースも一回使用ごとに、水によって洗浄することが
義務付けられている。


下は選別後のブドウのケースを圧搾機に送る機械。
音がすごい。


12トンのブドウから6150Ⅼのキュヴェ(一番搾り果汁)と
1500Lのタイユ(二番搾り)が搾られる。
Debourbage(デブルバージュ・清澄)と呼ばれる過程
を経て、醸造所に運ばれる。
清澄は15℃で12時間かけ、果汁に混入した微細物を沈殿させる。

空になった収穫用ケースが運ばれる。
右上が清澄用のタンク。7000Lと12000Lのサイズがある。
 ブドウが運ばれてから清澄を経て
果汁として運びだされるまで、18時間。
空になったケースはすぐに専用の機械の中で洗浄され、再び収穫に向かう。
圧搾機やケースの洗浄は水のみで行われ、
ブドウ果汁なども混ざるため、
洗浄後の水は別に溜められ、畑にまかれる。
川の汚染を防ぎ、畑には栄養ある水を供給するエコなシステム。

いざという時の発電機。一年に一か月の利用なので、
この時期だけのレンタル。
 果汁は圧搾所から、エペルネの醸造所に向かう。
去年から、すぐ隣の醸造施設も稼働している。

醸造施設に25000Lの果汁を運び入れるタンクローリー。
果汁は発酵タンクまで機械で吸い上げられる。
案内してくださったマークさん(左)と技術管理責任者のミシェル・フトリー氏。
発酵施設はさらに大規模。圧巻。 

全体で1500万Lの量というタンク。
これでもエペルネの施設の4分の1。
 発酵室は最新の建築技術・設備のお蔭でかなり静か。
コンピューターで品質管理されている。
この高さ。

発酵・醸造用タンクはいくつもサイズがある。
主なものは小さいタンクが単一区画用で1万2千ℓ。
大きい発酵タンクは15万ℓ。
最大はアッサンブラージュ用で60万ℓ!
タンクは屋根から搬出入される。
268HL(へクトリットル=100ℓ)90の表示。
26890ℓ。
発酵中のタンクの中。

自然の光を取り入れるため、発酵室はガラス張りです。
ここから見える畑はほぼすべて自社畑。
畑にまかれる、洗浄に使われた水。
発酵所の中の発酵塔の隣に、ボトル塔がある。

第一次発酵後のワインはここでボトルに入れられる。
1時間で18000本。
去年から、新醸造所で醸造される全てのボトルに番号が振られ、
コンピューターで情報管理できるようになった。
市場に出るのは数年後。
地下13M、36000㎡のカーヴ(長期熟成庫)。
熟成に影響しないよう黄色っぽい光で光量もおさえられているが、
いずれ光なしになる予定。
自動で運搬する機械に光は必要ない。

最新のテクノロジーで管理される無人のカーヴ。
湿度は自然のままで80%ほど。

1パレットは650本。モエとLVMHグループ専用のサイズ。

パレットの中心にあるこの部分にパレットごとの情報が入っている。

この奥往き。
 一階分階段をあがる。

全体で384パレットを動瓶可能。
テスト運転中。
さすが最大規模のメゾンの最新醸造所、
何もかもが、並外れて大きかった。



シャンパーニュのブドウ畑。だいぶ成熟してきました。

Hautvillersにブドウがどのくらい育ったか見に行ってきました。 区画によりますが、シャルドネは結構育ってきている感じです。 これからの天候によっても変わってくるのだと思いますが、 収穫まであと10日くらいか、 涼しい天気が続くともっと先になるのか。 収穫が近づくと生産者は...